Bliss Divine
51.Om
Omを崇拝します。Omに敬礼します。Om に平伏します。Omに帰依します。
Om に栄光を。Omに勝利を。Omにホサナ(ヘブライ語で賛美という意味)を。Omに万歳を。
Omは神聖な単音節です。Omは神秘的な文字です。Omは不死のアクシャラ(不変)です。Omの中に世界は休みます。Omの中で私たちは生き、動きます。Omの中で私たちは休みます。Omの中で私たちは自分を探求します。
Omはブラーフマンのシンボルです。Omは力のある言葉です。Omは全ての生命体の中の生命です。Omは全ての魂の中の魂です。
Omはまさにブラーフマンです。Omはサッチダーナンダです。Omは無限です。Omは永遠です。Omは永遠の命です。
Omは全ての物の根源です。Omは全てのヴェーダを生んだ子宮です。Omは全ての言語の基礎です。全てのトリニティーはOmに溶け込みます。全ての音はOmから生まれました。全ての物質はOmの中に存在しています。
Omは最も神聖なマントラです。OmはSohamです。OmはOm Tat Satです。Omは、あなたの足元を照らすランプであり、あなたの道を照らす光です。
音−絶対者の最初の顕現
Omはナダ・ブラフマンです。ナダとは音のことです。音は振動であり、Omは音としての最初の振動です。音は絶対者の最初の顕現です。
私たちは、絶対者の性質を何一つ知りません。知っているのは、それが存在するということだけです。親切なことに、いくつかの聖典は、絶対者からどのようにして創造が始まったかについて、私たちに語ろうと試みてきました。聖典は次のように言います。「ブラーフマンは唯一の存在であり、他者は存在しなかった。それは“Ekoham bahu syam(私は唯一者である。私を多数にしてみよう)”と考えた。その考えが振動の原因となり、徐々に音がもたらされた。その音がOmであり、そこから他の全てが顕現した。」
したがって、音は事実上、全ての創造にとっての理解可能な基礎だと言えます。ブラーフマンは、その超越的な側面のために、私たちの理解を超えています。音のみが「それ」を把握するための一番の近道です。音をアパラ・ブラーフマンと呼ぶこともできます。
Om−全ての音の根源
全ての物は音によって表わされ、全ての音はオムカラに溶け込みます。全ての会話や言葉を集めると「Om」という一つの音になります。
ミツバチの羽音、ナイチンゲールの甘い鳴き声、7つの音階、ムリダンガやケトルドラムの音、リュートやフルートの音、ライオンの吠え声、恋の歌、馬のいななき、コブラが威嚇する音、病人の息の音、赤ん坊の泣き声、熱のこもった演説に対する聴衆の拍手、それらの全てがオムカラのみから発せられます。
ガンジス川が流れる音、遠くに聞こえる市場の喧騒の音、エンジンのフライホイールが動き出すときの音、雨によって作られる音、それらは全てOmです。どんな言葉でも、分割するとOmが見つかるでしょう。Omはアーカーシャ(空間)やブラーフマンと同様、全てに浸透しています。
Omは全ての音の根源であり、A. U. M.という3つの文字で構成されます。A. U. M.は音の振動の全範囲をカバーします。
喉頭と口蓋は共鳴版です。Aの発音では舌や口蓋のどの部分も触れていません。Uの発音では共鳴版である口の一番奥から音が出されます。最後のMは上下の唇を閉じることで生み出される音です。すなわち、全ての音がOmに集約されるのです。全ての言葉はOmを起源とします。
4つのヴェーダのエッセンスはOmのみだと言えます。Omを唱えたり繰り返したりする者は、実は、全世界の神聖な書物を繰り返しているのです。Omは全ての宗教と全ての聖典の根源であり子宮です。Om, Amen, Ahminは全て同一のものです。それらは真実、ブラーフマン、唯一の存在を意味します。礼拝にはOmが必須です。
Omは全ての三位一体を意味する
Omが全てです。Omは、あなたの本当の名前です。Omは人間の3層の経験を全てカバーします。Omは現象世界の全てを意味します。この感覚的な宇宙はOmから投影されたものです。世界はOmの中に存在し、Omの中に溶解します。Aは物質界を、Uは精神界、および魂の世界と全ての天上界を含むアストラル界を、Mは熟睡状態、および覚醒時にすら知ることができない、知性によって知ることができない未知の世界を表します。Omは全てを象徴しています。Omはあなたの人生、思考、知性の基盤です。
ブラフマ、ヴィシュヌ、シヴァ;過去、現在、未来;誕生、生存、死;創造、維持、破壊;覚醒、夢見、熟睡;being、non-being、becoming といった三つが組になったものは、全てOmに象徴されます。
サラスワティ、ラクシュミ、ドゥルガ;父、子、精霊;ラジャス、サットヴァ、タマス;肉体、マインド、魂;サット、チット、アーナンダ;全知、全能、偏在;粗大、微細、原因といった三つが組になったものは、全てOmに象徴されます。
Aはブラーフマン、Mはマーヤーです。Uはその2者の間にあります。
OmはまたマハーヴァーキャのTat tvam asi(汝はそれである)をも意味します。Aはジーヴァ、Mはイーシュワラです。Uは2者を繋げていて、ジーヴァとイーシュワラあるいはブラーフマンが同一であることを示します。
Omは非常に重要です。それは礼拝されなければなりません。大声で唱えられなければなりません。意味とバーヴァ(崇拝の感情)を込めて、心の中で繰り返し唱える必要があります。Omを瞑想すべきです。
Omを唱えることのパワー
Omを唱えると大きな音が生み出されます。Omは大きな音で3.5マートラ(マントラやプラナヤーマの時間の長さを計る単位)の長さで繰り返されます。Oの音によって、臍にプラナヴァの音が作り出されます。そして、最後のMの音で頭頂部のブラーフマランドラまでゆっくりと上昇します。Mの振動は、しばらくの間保たれます。
18マートラでOmを唱える方法もあります。それは非常に長い詠唱で、長い時間がかかります。プラナヴァはディールガ(長い)です。
聖なる音節であるOmの発音は、東洋の研究に専心するヨーロッパの人々の興味をひく対象の一つです。この音節によって作られる振動は非常にパワフルなもので、それを頼りにし続けるならば、巨大な建物をも破壊することができると言われています。実行してみないうちは信じがたいことに思えますが、実際に試してみると、それは起こりうることであり、完全に正しいということを、簡単に理解できるでしょう。私自身も振動のパワーを試してみて、そのような効果が有ると信じるに至りました。
スペリングどおりに発音することで、Omの詠唱は生徒に特定の影響を与えます。Omを正しい方法で発音すると、その人の身体の全ての原子を刺激し、変容させます。そして、身体の振動と状態を新しく整え、そこに眠っている力を呼び覚まします。
Omの詠唱は、世俗的な考えを全て追い払い、雑念を取り除いてくれます。それは非常にパワフルです。パンチャ・コーシャ(5層の鞘)は、Omの詠唱でリズミカルに振動します。Omの詠唱は身体を新しい活力で満たします。5人が輪になって座り、全員でOmを唱えることもできます。美しい響きによって晴れやかな気分になるでしょう。全員が即座に生き返ったように感じるでしょう。
心が落ち込んでいるときは、Omを50回唱えなさい。新しい活力と強さに満たされることでしょう。Omの詠唱はパワフルな強壮剤です。しかも、医者への支払いは不要です。Omを唱えるときは、自分自身を純粋で全てに浸透している光と意識であると感じなさい。
Omを唱える人は、甘くパワフルな声を持つでしょう。また、素早くマインドを一点集中させることができるでしょう。朝・夕の散歩のときには、Omを上手く唱えることができます。月明かりの夜にOmを唱えなさい。海辺や川岸を歩くときにOmを唱えなさい。Omを美しく唱えることもできます。Omをリズミカルな発音で唱えることで、マインドを静め、一点に集中し、悟りのためのスピリチュアルな資質を増やすことができます。
最も偉大なマントラ
プラナヴァ(宇宙の音)、またはOmは全てのマントラの中で最も偉大なものです。それは直接的に解放を与えます。全てのマントラはOmで始まります。Omは全てのマントラの中の生命であり魂です。パンチャクシャリ(シヴァ神を称える5音節のマントラ)やアシュタクシャリ(ヴィシュヌ神を称える8音節のマントラ。オーム・ナモ・ナーラーヤナヤー)はOmで始まります。全ての歌はOmで始まります。全てのウパニシャッドはOmで始まります。ガヤートリはOmで始まります。様々な神への奉納はOmの詠唱で始まります。アシュトータリやトゥリサティ、そしてサハスラナーマのようなアルチャナもプラナヴァで始まります。オムカラの偉大さを正確に説明できる人は居ません。パールヴァティやアディセーシャ、そして偉大な聖者たちでさえも、Omの偉大さを説明できませんでした。それがOmの力、またはマヒマ(偉大さ)なのです。
アヨージャのヴァイラギにとってのシュリ・ラム・マントラ、ベンガル地方のタントラ行者にとってのフリム、マドラスのブラーミンにとってのガヤートリは、リシケシのヴェーダンタ学徒または出家者にとってのOmまたはプラナヴァと同じです。
Omはチャンドーギャ・ウパニシャッドでオムカラ、エーカクシャラ、またはウギータとしても知られています。男性でも女性でも、マインドを本気でブラーフマンに向けている者、精神的な離欲ができている者、そして、ヴェーダンタ的なサムスカーラ(過去生からの印象)とヴェーダンタへの真の嗜好を持つ者は、このマントラを繰り返すことができます。
Omのジャパを毎日行う者は、莫大な力を得るでしょう。彼らの目と顔は光り輝くでしょう。
Omに瞑想する
瞑想室の正面にOmの絵を飾りなさい。その絵に集中しなさい。目を開けたまま、まばたきをしないで涙が出るまで凝視するトラタクをしなさい。Omについて考えるときは、無限、永遠、不死などの概念と関連付けなさい。
ニャーナヨーガの初心者は、初めの3か月間、目を開けてOmを凝視するトラタクをすべきです。その後、目を閉じてOmを視覚化(ヴィジュアライゼーション)します。Omの視覚化とは、目を閉じることによって心の中にOmの明確なイメージを呼び覚ますことです。バーヴァ(感情)と意味を込めて心の中でOmを唱え、同時に耳でその音を聞くようにします。そうすれば、他の音を聞こうとして外に耳を向けることがないでしょう。
Omに瞑想しなさい。瞑想室に引きこもりなさい。パドマアーサナ、シッダアーサナ、またはスッカアーサナで座り、目を閉じます。筋肉と神経を完全にリラックスさせます。トゥリクティ、すなわち眉と眉の間のスペースに視線を集中させます。客観的・意識的なマインドを静めます。スッダ・バーヴァナ、もしくはブラーフマ・バーヴァナを伴って心の中でOmを繰り返します。
このバーヴァナはシネ・クワン・ノン(欠かせないもの)です。Omを唱えるときには、自分が無限で、全てに偏在している純粋な知性であるというバーヴァ、または感情と共に繰り返さなくてはいけません。蓄音機のように、またはオウムのようにOmを繰り返すだけでは、望むような結果は得られないでしょう。
Omについて考えるときは、その記号が表すもの、すなわちブラーフマンについて考えなくてはならないでしょう。Omと繋がることは、それが表すものと一体になることです。Omに瞑想するとき、自分を至福に満ちた真我であると感じなさい。
心の中に、常にOmの意味を保っていなさい。Omを感じなさい。自分を、全てに浸透する無限の光だと考えなさい。自分を、純粋で、完璧な、全てを知っている、永遠に自由なブラーフマンであると感じなさい。自分を絶対意識だと感じなさい。無限で不変の存在だと感じなさい。そのような考えによって、体中の原子、分子、神経、静脈、動脈が力強く振動しなければなりません。口先だけでOmを唱えても、それほど利益は得られません。心、頭脳、魂を通して唱えられるべきなのです。あなたの魂全体が、自分は精妙で全てに浸透する知性であると感じなければなりません。1日24時間、常にそう感じていることが必要です。
部屋を森に変えなさい。自分とブラーフマンは別のものであるという考えを棄てなさい。興味、信仰、熱意、忍耐、意気込みを持って、規則正しく着実に練習しなさい。気の合う仲間を持ちなさい。ミルク、ヨーグルト、果物、ナッツ類、ムーング・ダル、米、パンなどの、軽くてサトヴィックな食べ物を摂りなさい。朝4時から7時の3時間と夜7時から10時の3時間を練習に充てなさい。仕事中もブラーフマンを感じ続けなさい。そうすれば、3年から4年で成功することができるでしょう。あなたは、自分自身のスワルーパ、自分自身の純粋なサット・チット・アーナンダの状態にくつろぐでしょう。ナースチャトラ・サンシャヤハ(バガヴァッド・ギーター8章5節):これについて疑いの余地はありません。
常にOmを覚えていなさい
Omを覚えていなさい。ソーハム、Omソーハム、シヴォーハム(私はシヴァである)、アハム・ブラフマ・アスミ(私はブラーフマンである)、アナルハグ(アラビア語で、私は真実である)を覚えていなさい。これらのマントラは、あなたが至高の魂であるということを思い出させてくれます。それらはマハーヴァーキャ、すなわち、ウパニシャッドに書かれた偉大な言葉です。それらの言葉は、この虚偽の小さなエゴ、幻想の「私」を吹き飛ばして、実体の無いものにしてしまいます。
Omは、あなたが生まれながらに持っている権利です。それは、全ての人に共通の遺産です。世界中の全ての人々に共通の財産です。それは力を与える言葉です。それはインスピレーションと直観をもたらします。マインドをスピリチュアルな高みに持ち上げ、神聖な輝きと栄光で満たします。
Omはあなたにとって、スピリチュアルな食べ物です。スピリチュアルな強壮剤であり、ビタミン剤です。それは神聖な可能性に満ちています。それは、常時あなたの仲間です。それは、あなたにとって救世主です。それは、あなたの喜びであり生命です。昼も夜も、Omに生きなさい。Omに熱中しなさい。
Omに生きなさい。Omを瞑想しなさい。Omを吸い込み、吐き出しなさい。Omの中で心安らかに休みなさい。Omに避難しなさい。
リズミカルにOmを唱えなさい。大声でOmを唱えなさい。力強くOmを吠えなさい。心の中でOmを繰り返しなさい。Omから強さを引き出しなさい。Omからインスピレーションを得なさい。Omからエネルギーを得なさい。Omから至福を吸収しなさい。欲望は全て消え去るでしょう。あなたは自己を悟るでしょう。
Omに頼りなさい。Omについて考えなさい。Omに集中しなさい。Omを瞑想しなさい。神聖な音節であるOmを知りなさい。そうすれば、あなたは全てを知るでしょう。最高の知識を得るでしょう。
Omという聖なる言葉は弓で、マインドは矢です。ブラーフマンは的、あるいは標的です。的は、集中した思考を持つ者によって当てられます。そのとき、彼は的の中に入ります。ブラーフマンと同じものになるのです。一塊の氷がバケツの水に溶けるように、彼もまたブラーフマンと一つになります。